2023年8月12日土曜日

【界隈曲】Introduce

界隈曲 歌うボイスロイド xxxx

かいわいなるものあればこそ、あやしきものうまれるなり。いみじきしらべをあまたごらんあそばさむとぞおもふ。


「界隈曲」という言葉、聞いたことはありますか?何界隈だよ、と内心思われた方向けに、その特徴や由来、具体例をいくつかご紹介します。

 ごきげんよう。今回は「界隈曲」について説明していきます。

以前は記事を書くことが憚られる感じのする閉鎖的な雰囲気でしたが、最近はボカコレ等で時々見かけるようになってきたりして、徐々に広く浸透してきていると思います。

なので、ここで界隈曲についてまとめてみて、その特徴や魅力、あと注意点などを述べようと思います。

界隈曲の歴史

界隈曲の原点は"xxx"氏に遡ります。

xxxというのは伏字でして、現在は活動停止をされているうえに名前の公開をしないでほしいという本人の希望があるため、このように呼ばれます。

どうしても名前が知りたいなら、youtubeの界隈曲動画のコメント欄やニコニコの昔の動画を漁ると稀に見つかりますが…知ってしまっても広めることは控えてくださいね。

xxx氏が活動停止された後、xxx氏の曲は正式には4つしか残っていません。いわゆる「海鮮4作」と呼ばれる、

  1. イワシーイワシがつちからはえてくるんだ
  2. クラゲー.
  3. クロマグロークロマグロがとんでくる
  4. ヤツメーヤツメ穴

です。どんな曲かは後でリンクを出しますが、「不思議さと妙な懐かしさ」という特徴を共通してもっています。

海鮮4作以外にもxxx氏の作られた曲がyoutubeに上がったりしていますが、本人は認めておられないのでここでは挙げません。

海鮮4作に似ている現在の殆どの曲はxxx氏のものではなく、次に述べる「リスペクト」された曲です。

リスペクトの文化

界隈曲の大きな特徴として、xxx氏の曲風に影響を受けた曲を投稿するときには大体「リスペクト」という文言が添えたり、タイトルを意味不明にします

これはxxx氏の曲風をリスペクトした曲であるということです。次にリンクを出します。

有名な界隈曲

百”文”は一”聞”に如かずということで、いくつか有名な界隈曲などを挙げておきます。

雰囲気つかみに→メドレー曲

界隈曲のメドレーです。雰囲気をつかむには最適。 

①海鮮4曲のメドレー

 

xxx氏の曲そのままです。原典。

 

②界隈曲色々のメドレー

xxx氏の曲に加え色々なリスペクト曲が4分足らずに凝縮されています。おすすめ。
右下のタイトルとかタグとかから界隈を探索できます。

 

③界隈曲(広義)のインストメドレー

なかなか大きいメドレーです。リスペクト曲に留まらず、界隈曲と距離の近い曲は大体入ってます。

 

大体つかめたら→リスペクト曲単品

メドレーで曲を掴めたら単品も聞いてみてください。再現度を極限まで高めたものから各々の個性の取り入れられたものまで様々です。

多分界隈曲を何曲か聞くと勝手にYoutubeがそれっぽいのをおすすめしてくると思います。あるいはニコニコのタグから探したり。ここでもいくつか挙げておきますね。

 

xxx氏のリスペクトのみならず、リスペクトのリスペクトとかさらにそのリスペクトとか、いくらでもあります。探してみてください。

慣れてきたら→界隈曲の外縁

 どっぷり界隈系の曲を聴いてみたら、次は界隈系の外縁にも行ってみましょう。

リスペクトとは明言してないけど、どことなく界隈の香りがする…みたいな曲がいくつかあります。

①柴又

xxx氏が活動してた頃の曲というか音MADなのでリスペクトではないのですが、よく界隈曲の仲間になります。xxx氏本人が作ったんじゃないかという説もある。

 

②クーネル・エンゲイザー

雰囲気とか曲の設定がぽい。

 

③クモヒトデのうまる砂の上で

やはり雰囲気とか曲の設定がぽい。

個人的に民族音楽が好きなので、メロディーが民族っぽい音階(多分ペンタトニックスケール)なのが高ポイント。

この曲の作者さんは2023ボカコレ夏・ルーキー部門で1位になられました。えぐい。

ここまで紹介したのは有名中の有名所なので、一通り聴いたら色々冒険してみてください。
なんか琴葉姉妹率高くない?

界隈曲の音楽的な特徴

ここからは、少しだけですがDTMをかじっている筆者なりに界隈曲の音楽的な特徴を気づいた限り述べたいと思います。

メロディー

基本的に八分音符(タタ/タタ)と四分音符+八分音符x2(ター/タタ)が多く、時々全音符や16分音符が混じる、という感じです。メロディーの入りは拍の始まりピッタリよりは前の拍から入ることの方が多いですね。

メロディーに関しては以下の動画が参考になります。というか下の動画だけでいいかもしれません。

和音

あまりコードは得意ではないんですけど、マイナー調のセブンスコード、ベース下降が比較的多い印象です。

進行は意外と丸サ進行やカノン進行を改変したものが多いです。

その際に9th,11th,aug等がよく利用されており、その辺りのコードでどこか奇妙な感じが出ています。ここが界隈曲の特に重要な点かもしれません。

リズム

キックは低い音の四つ打ち、3拍目と4拍目にカウベル等の高い音が入ることが多いです。2拍目と4拍目にクラップが入ったりハイハットの裏打ちもまあまあ。

基本的にあまり派手ではなく、八分音符より細かい音はほぼ無いと思います。

音質

アナログっぽい地味かつ厚めな音(TR808系)がほとんどです。そしてボーカルも大体は無料ソフトUTAUの初期音声(デフォ子)であり、すごく機械的な音声です。現代的な派手な音、人間すぎるボーカルはほぼ使われません。

最後に

界隈曲は一言で表すと「不思議系テクノポップ」…なんでしょうか。 

テクノポップ参考:https://ch.piapro.jp/creator/2018/09/s1809141-1 

テクノポップ自体かなり守備範囲の広いジャンルでありますが、界隈曲に関してはポップ系の曲に使われるようなシンプルな技術で不思議・奇妙な世界を演出しているーーという部分が他にない部分だと思います。ポップな曲って大抵明るいものですから。

まだ界隈曲を聴かれたことのない方は是非聴いてみてください。

では、ここまでご観覧ありがとうございました!

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