ごきげんよう。
ボイスロイド系ソフト界隈では、定期的に「規約違反・マナー違反」による炎上が起きます。
なぜかというと、他の動画に比べてボイロ系ソフトを用いた動画は圧倒的に素材量が多いからです。
そこで、できるだけクリーンな制作を続けるために、本記事ではシンプルに色々な規約を守る方法と考え方をお伝えします。
※当記事ではボイスロイド系ソフトを「合声ソフト」と表記します。
画像の権利表記:琴葉茜 琴葉葵 (c) AI Inc.
ソフト・声・キャラ・その他で区別する
まずは動画で使っているものを上記4つに区別してみましょう。
例えば立ち絵を使ったAIVOICEの琴葉姉妹劇場なら、
ソフト:A.I.VOICE
声:A.I.VOICE 琴葉姉妹
キャラ:琴葉姉妹
その他:立ち絵 背景画像 効果音など
という感じになります。
こう区別することのメリットは、ソフト・声・キャラは他ほど頻繁に変わるものではなく、動画を作るたびに確認する手間を省けるという点です。
その3つをしっかり確認しておけば、あとは「その他」に当てはまる素材の規約のみ確認すればよいことになります。
※複数の合声ソフトによる動画の場合はソフト等も複数になります。
※ゲーム実況であればゲーム自体の実況ルールも「その他」としてご確認ください。
特に注意して確認するべき箇所
様々な規約で特に無意識に違反しがちな箇所は、
・紳士淑女向けのもの、年齢のゾーニングが必要なものへの利用の可否
・金銭の絡むもの…商用利用の範囲と可否
・声のみ利用、キャラのみ利用の可否
・クレジット掲載の義務の有無
あたりでしょうか。この辺はしっかり確認してメモしておきましょう。
ここからは、動画を作成する際におすすめする規約確認の手順を紹介します。
まずはソフト・キャラ・声の規約を把握しよう
さすがに自分の使っているソフトは把握していると思うので、その規約を確認してください。
主な合声ソフトの種類は以下の記事にまとめています(露骨な誘導)。
例えばA.I.VOICEシリーズの場合はここ↓にあります。
VOICEROID,Cevio等は「Cevio 規約」などと検索すると出てきます。
なお、この場合はソフトの規約=声の規約ですが、なぜ別々に書いているのかは無料ソフトの項目で分かります(後述)。
ここでややこしい点その1.
キャラと声の規約はほぼ別々
その理由は、「声だけ利用」「キャラだけ利用」というパターンが存在するからです。
前者はナレーションなど、後者は立ち絵のみなどが該当します。また、「声とキャラそれぞれの権利を持っている会社が別」という大人の事情なパターンもあります。有名なのはゆかりさんとあかりちゃん(ボイロマーケットとA.I.VOICE)。
普通は声とキャラを両方使うと思いますので、両方確認してください。
いいですか、必ず両方ですよ。片方だけ見て満足しないように!
例:A.I.VOICEの紲星あかりの場合
キャラ規約(VOCALOMARKETS):
音声規約(エーアイ):下記URLの下部「ライセンス」
ややこしい点その2.
無料ソフトはソフトと声でも規約が違うこともある
無料合声ソフトにはVoiceVOX, CoeiroINK, TALQu, Coefontなどがあります。
例えばVOICEVOXでは、ソフトの規約は以下なのに対し、
キャラクター毎にキャラ・声の規約があります。
例えばナースロボ タイプTならこんな感じ↓
紳士淑女向けの内容に限っては「キャラはR18オッケー」だが「音声はR18ダメ」と書いてあります。Pixivは合法ってわけだ
紳士淑女向けはこの通り複雑な規約になりやすいので、最初に言った通りよ~く見てください。
後はAI関連が軒並み禁止なのも独特な注意点ですね。
更にサイト内に準規約がもう1つあったりします。
ややこしい点その3.
動画以外には動画以外の規約がある
動画の話から少し逸れますが、合声ソフト好きの中には二次創作の同人誌やゲーム、他グッズを作られる方もいると思います。
そのような場合には、作るものの種類によって規約が存在することもあります。
例えばA.I.VOICEでは、「作った声の再配布は原則禁止だが、ゲームと歌の公開や販売はOK.ただし営利目的の場合は個人商用ライセンスが必要になる」的なことが書かれています。
ここで営利目的か否かは明確に分かれていないので、個人の良心に任されている…はず。CeVIOならある程度定義されています↓
グッズ等のキャラクターの規約については、たとえば小春六花ら小樽組の権利元であるTOKYO6様は綺麗にまとめられています。
小樽組に関するものを作らないとしても、権利の確認方法の練習として読んでみると勉強になります。
なお、ソフトやキャラによっては明確に書かれていないこともあります。ないなら自己判断するか問い合わせるか、ですね。
確認する際に、自分が違反する可能性のありそうな規約・グレーゾーンで判断しづらい規約はメモ帳などでメモっておくと後々便利です。
次に各種素材の規約を確認しよう
ソフト・声・キャラの3種の規約を確認し終えたら、次はそれら以外の、使う予定または使っている状態にある各種素材の規約を確認します。
基本的に他所からダウンロードしたものには全て規約があります。極力漏れがないようにご確認ください。
素材の例:
動画素材(トランジション、感情エフェクトなど)
BGM素材
効果音素材
ゲーム(ゲーム実況においてゲームを素材と捉えるとここに入ります)
MOD(マイクラ等のMOD利用が多いゲームでは稀に関係してきます)
このように確認の手順とみるべき点を決めておくことで、うっかり規約違反してしまうリスクを下げることができます。
Googleスプレッドシート等にまとめておくと後で見返しやすくていいと思います。
素材ではないものを使うと著作権侵害になる
フリー素材ではなく、規約の存在しないもの(あるゲームのイラストや効果音・音楽など)は全て他者による使用が原則できない著作物なので、そういったものを使うと著作権侵害になります(公衆送信権など)。
極めてクリーンな創作を目指すなら「素材として公開されているもの以外は使わない」を徹底してください。
ただ…実際のところ、軽度な著作権侵害をしている動画の方がかなり多いですし、そのくらいしてしまった方が面白いものが作りやすいです。
なぜなら、フリー素材は素材そのものは面白くない(共感性が無い)ことが殆どなのに対し、本来素材ではないものはそれ自体が面白いからです。たとえば米津がトラックに吹っ飛ばされるやつとか、猫ミームとか、アニメ音MADとか。伸びる動画は著作権侵害を含みがちです。
著作権侵害はもちろん悪いことですが、0にしろとは言い難いメリットもあります。アニメ音MADであればアニメ側が問題にしない限りアニメの宣伝になり、MAD製作者も評価されて喜びます。違法ではあるものの、侵害する方もされる方も悪影響はないのです。
著作権侵害は親告罪ー侵害される方が訴えて初めて罪になります。両者とも悪影響がないなら訴える理由がないので、罪になりません。
なので私は、著作権を全く侵害するなとは言わず、侵害しているという意識をもつことを提言します。
軽度な著作権侵害であれば、99%は著作権者から見逃されるので大事になることはほぼないと思います。ですが「素材ではない著作物の使用は著作権侵害である」という意識は常においておき、万が一著作権者から通告が来た際は真摯に対応してください。
※金銭的な利益を得る場合・誰でもダウンロードできる形にする場合などは重度の著作権侵害であり、ただ事では済まない場合もあります。漫画村なんかがそうですね。
常識の問題ですが、著作権をもつ人に不利益が極力ないように動いてください。
まとめ
規約を守って創作するために、筆者は以下の手順をお勧めします。
①まずソフト・声・キャラの規約を確認する。
②紳士淑女向け・商用利用・声やキャラ単品利用・クレジットに関しては注意深く確認する。
③その他の素材の規約を確認する。
④ 同様に違反しがちな点を注意深く確認する。
本来素材ではないものを使うときは、著作権侵害であるという意識をもつ
自分なりの手順を決めておくと規約確認フェイズを効率化でき、心地よく創作できるようになるでしょう。
ルールを守って楽しくクリエイト!
この記事はここまでです。ご観覧ありがとうございました!
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