2024年12月20日金曜日

【太鼓の達人公募2024】 初応募の振り返り ~今後に向けての改善点など

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太鼓の達人 音ゲー 公募

初めて音ゲーに公募してみた筆者が、結果発表後に反省点や採用曲の特徴などを振り返りました。同じく初心者の方や、公募に苦戦されている方に参考になるかも。

ごきげんよう。

今回は太鼓の達人2024の楽曲公募に応募してきたので、その曲の公開と改善点について記します。今回が初公募で、佳作とかは何もありませんでした。まあそんなものでしょう。

リンク:https://columbia-makes.jp/taikonotatsujin2024/ 

同じような立場の方、あるいはこれから公募してみようかという方にとって何かの参考になれば幸いです。

筆者の紹介

・音ゲーに限らずコンペ(公募)自体今回が初
・太鼓はおにの★8が初見で一応クリアできるレベル。それ以外の音ゲーはほぼしない
・DTM歴2年弱(公募当時)、DAWはFL studio。
・逆張りのためKontaktやSerum等有料有名シンセは不所持(Pigmentはちょっとほしい)。
・好きなジャンルは民族音楽やファンタジーなゲーム音楽。
・一応EDM含めて大抵のジャンルは作れるようになっておきたいと思い、色々なジャンルに挑戦中。

といった感じです。

友達が公募に応募していたので、それに乗じて自分もやってみたのが動機です。

応募した曲

こんな感じの曲でした。

公募した曲そのまま出しています。マスタリングはしていません。

簡単に解説すると、Hardcoreを基調にしていますが、曲名にもある通りサントゥール(中東の民族楽器)など、一部に民族楽器を用いています。

また、ドロップ2回目の前のパートは一応ドラムンベース調になっています。ドロップ2回目は飽きさせないために全体のピッチを少し下げて変調っぽくしています。

全体のMIDIの変調もすぐできるんだけど、全体ピッチの方がリズム隊のピッチも下がるので綺麗になりやすい。

改善点の列挙

音ゲー曲どころかHardcore自体初作成なため、改めて聞いてみると無限に改善点がありました。色々と挙げてみます。

①展開に波がない

Twitterで全曲聴かれている方にもご指摘いただいたことなのですが、展開が駆け足すぎました。音ゲーはずっとサビみたいな盛り上がりがあると思い込んでいましたね。

今考えれば、イントロやAメロはもっと静かめがよいですし、イントロはもう4小節長くていいくらいでしょう。

メロディー面でいうと、AメロとBメロの主旋律は似ているものにしていたので、全く別の雰囲気にして違いを付けた方が魅力的な曲になったように思います。サビはリズムに変化を持たせた方が音ゲー的には良かったのかなと。

また同じ方に、公募の公式ページに楽曲は2分くらいと書かれていたのですが、この曲の1分45秒は短すぎるそうです。太鼓の場合は2分10秒くらいが適正っぽい。

②個性がない

後に記す公募に出す際の心構えに「個性を出すべき=差別化するべき」とあったので、それを単なるハードコアではなく民族楽器を入れることで行おうとしました。が、あまりにも民族楽器の影が薄すぎますね。一応ドロップの左右のアルペジオやBメロ的なとこのリズムに入っています。

ハードコアに民族楽器を混ぜるなら、リード・コード・リズムのどこか1パートを8割方民族楽器主体にするくらいがよかったかなと思います。この曲は全てハードコア側が主体になってしまっているので。

なんなら、民族音楽にハードコアがちょっと入ってるレベルの方が個性という面では強力そうです。

③MIXが良くない

これは公募以前に自分の技術の問題です。ハードコアに民族楽器を入れているため楽器数が多くなっており、ごちゃついた感じになってしまいました。楽器を増やすのではなく置き換える方向にいくべきでした。

あとはリードもでかすぎる気がしますね。

まあ、DTM歴2年弱なら仕方ない部分もあるよね…

ここまで自分にボロクソ言いましたが、ドロップ(サビ)部分の格好良さはあるとTwitterの方にフォローいただきました。自分でもここは満足してるので、やはり周りの展開を工夫して活かしたいところです。

採用曲の簡単な分析

筆者は公募のプロではなく情報集めもしていないのですが、太鼓の達人公募2024の初採用曲7曲の曲そのものとコメントを見たうえで、比較的共通している特徴・大事そうなことをピックアップしてみました。

・音楽としての良さよりリズムの複雑さ・興味深さが強い

・ほぼ全てノージャンル、または複数ジャンルの混合

・AメロからDメロくらいまでありそうな展開の多さ

・明るめ~中間(不思議系)の雰囲気が多い 暗い曲はほぼない(ナムコオリジナルらしさ)

こんな感じでしょうか。個人的にかなり勉強になりました。音ゲーに限らず他ジャンルでも使える視点だと思います。

1つ盲点だったのは、太鼓の達人での採用曲は「ナムコオリジナル」として採用されるという部分ですね。ナムコオリジナルには特有の面白さというか不思議さがあるので、ある意味そのジャンルの曲を作るべきかもしれません。そのジャンルの特徴は大体今回、そして前回以前の採用曲の通りです。

なお、今年から投票による採用が始まった(復活?)そうですが、そちらの2曲は既に音ゲーに多数収録されているプロの方の曲なので今回は除外します。無差別級で素人・アマチュアがプロに勝つのは無理です。

 

公募に出す際の心構え

音ゲーの公募で複数の採用歴がある概念氏のノート「音ゲー公募に挑戦するときに考えていること」(https://note.com/gainen86/n/naefc237f4ac9※リンク切れ

を読んでいたのですが、ここに書かれていたことに説得力があったので、覚えている限りで書いてみます。

なお概念氏の初音ゲー採用は太鼓の達人で、当時はSNSの拡散力もなく無名だったそうですが、そこから他の音ゲーに広がって有名になった感じだそうなので、再現性がある…かもしれません。

※概念氏のノートは現在ほぼすべて消えており、アーカイブも多分ありません。

①高難易度曲を作らない

そういう曲はプロが作るものなので、公募頼りのアマチュアor素人である我々はそこまで難しくない曲を作った方がよい。

②公式側はバラエティの豊かさを求めている

既に収録されている曲となるべく似ないようにする。とにかく個性を出す。(UK) Hardcore, Hi-techあたりはレッドオーシャンなので差別化が困難。 Popsも多いけど需要もまた大きいので意外といけそう。

ノージャンルの曲、収録曲にないジャンルの曲は個性が強く、比較的有利。

「高難易度曲を作らない」も、既にある曲と被らないための方針の1つ。どうしても高難易度曲にしようとすると高BPM・複雑なリズムという共通点が出てきてしまうため。

③譜面にしやすいか考える

作り手側のことを考えるのも大事。高難易度曲でないのであれば乗りやすいリズムの曲が安定。

音ゲーの種類によって乗りやすいリズムも変わってくる。

④質より量

ある公募では佳作にも入らなかった曲が別の公募では有力候補になる、みたいなケースは普通にある。自分の得意ジャンルと公募ゲームの性質を踏まえたうえで応募すると勝率が上がる。

また、公募は基本的に素人からプロまで平等であるため、たまたまプロの人が多く入ってきて勝ち目がなくなるという運要素もある。公募自体にデメリットはないため、曲があれば(作れるなら)公募する勢いでよい。渾身の出来が落ちても運が悪いことにする。

ーーー

大体こんな内容だったかと思います。間違えてたらごめん。

もちろんこれらは指針の1つなので、全く逆の方向で行って採用される人も当然います。特に今回は高難易度っぽい曲も普通に初採用されてますね。迷ってる人は参考にしてみてください。

これを書いてる最中に思いついたのですが、「MIXをプレイ環境に合わせる」も案外大事かもしれません。太鼓の場合はゲーセンのスピーカーですし、スマホゲーなら内臓スピーカーかイヤホン…といった具合に。

あとは去年度の受賞曲やコメントを見ることですね。佳作曲への惜しい点のコメントも参考になります。過去問は大事。

最後に

DTMを始めてみて目標の1つにできるのが公募での採用だと思います。挑戦にデメリットはないので、興味のある方は一度参加してみてください。

私は今回大した結果は出ませんでしたが、多数の改善点が見つかったので、まだ上を目指せそうです。私は何よりも個性が足りないですね。採用曲も1回聞いただけでは戸惑う、いわゆるスルメ曲っぽいものばかりでしたので、そのくらいでいこうかなと。

一緒に頑張りましょう。

本記事はここまでです。ご観覧ありがとうございました!

Author Profile

通称:乱(みだれ)

ゲームを中心にブログ書いたり、ボイロ動画作ったり、作曲したりしてる。

常にマイナーなものを好むひねくれもの。

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