大学の書き方ガイドから踏み込んだ考察の書き方から、失敗した実験から単位をもぎ取る考察の裏技的書き方テクニックまで解説。器具のせいにする責任転嫁など、理論通りいかない時の具体的な挽回テクニックを公開します。
ごきげんよう。
この記事では考察を書きあぐねている方に向けて、私が感じた「考察を書くコツ」をご紹介したいと思います。
私が大学1年のときは、実験も考察も下手で全てのレポートで再提出を食らい、2割は再々提出になるといった進級も危うい状態でした。ですが失敗した実験データの扱い方を会得してからは、実験は変わらず下手ですがレポートの7割くらいは一発で通せるようになりました。
本記事では、主に中学~大学生までに向けて、失敗した実験データでも上手く考察を書くコツをお伝えします。
忙しい人のために:
失敗した実験の挽回テク3選
私もよくミスるので、以下の考え方で書いてみてください。
①失敗した操作と結果への影響を細かく説明する
なぜズレが生じたか、原理まで立ち返って詳しく書く。
②自分以外に責任転嫁する
自分の操作以外、例えば器具の洗浄不十分や試薬の劣化などを指摘する。③数値や前提条件をクソ細かく見る
前提条件を満たしていないことや、計算の際の切り捨てや測定能力の限界を指摘する。
ここから「考察」の基本的な定義について述べたあと、詳細にこれらの裏技的なコツを解説していきます。
基本的な考察の定義、結果との違い
結果と考察の違いは
手を動かして分かったことか、頭を動かして分かったことか
と私は表現します。
例えば、
「この酸性の溶液をこのくらい入れると色が変わった」
「金属の球が40cm跳ね返ったので反発係数はこれくらいである」
といったことは結果です。実際にやったこと・計算して出た値は結果になります。
そして、
「色が変わったのはアルカリ性の溶液が中和してなくなったからである」
「計算で求めた反発係数は大きすぎるので操作を誤った可能性がある」
といったことは考察です。実際にやったこと・計算して出た値に対する考えは考察になります。
反省と考察の違い
一方、反省と考察の違いは「自分の気持ちの有無」が最も大きいと思います。
例えば化学実験の考察を書くときに、どこかの操作でミスがあったとします。そのときに「~~でミスったので次は上手くしたい」と書いてしまうと、これは反省です。
考察で同じことを書くならば、「~でミスったので結果が狂った」という風になります。ここに気持ちの要素はありません、事実のみです。まあ感情が窺える考察もありますが
ではここから、裏技的なテクニック紹介に移りましょう。原理を意識する
実験中は操作に必死になるため、原理なんて考えてる余裕はないでしょう。
考察は、改めて理論と操作を結びつける機会でもあります。 なぜこういう操作をしたのか?目的は何だったか?といったことを、考察を書き始める前に今一度思い出してみましょう。
すると、それまで「~でミスったので結果が狂った」としか書けなかったのが、「~~でミスったのでーーという原理から結果が……というように狂った」と詳細に書けるようになります。
例えば、塩酸を水酸化ナトリウムで中和する操作に対する考察を書くとすると、
1:水酸化ナトリウムを入れすぎたので塩酸の濃度が理論値とずれた
2:本来は塩酸と水酸化ナトリウムは1:1で中和するが、水酸化ナトリウムを入れすぎたので、塩酸の濃度が理論値より高くなってしまった
2種類書いてみました。比較すると2の方が詳細ですよね。なぜ詳細に書けたかというと、原理(下線部)を盛り込んだからです。
詳細に書くことができれば、原理を理解しているんだと思われて評価が上がると思います。
保証はしませんよ。でもレポートの質は確実に詳細な方が上です。変な字数稼ぎをしなくてよくなるのもメリットです。
道具や方法そのものをよく見る
もし結果が理論(正常値)と違ったなら、原因は何だと考えますか?
自分の手順に何らかの誤りがあったと考えるのが普通だと思いますが、それだけではありません。他に疑える箇所があるはずです。
その用いた道具や方法は完璧でしたか?あなたのしたこと以外で、どこかに結果を狂わせる要素があるはずです。
例えば器具。前の人が洗浄不十分だったりすると実験結果に影響が出ます。アナログ器具・電子機器も数十年使っていたりすると測定値にずれが出るかもしれません。
他には溶液の劣化などですね。数年間同じ溶液を使っていることもありますし、ひどい時は10年以上同じ(秘伝のタレかよ)ことさえあります。洗ってない器具で誰かが溶液を使って、共用の溶液自体が混ざるとかいうことも起こり得ます。
それに加え、方法がまずいことも一考の余地があります。高い器具・時間のかかる手段ではなく、安い器具・簡易な手段で測定すると、大体ずれます。
これらのことも結果に影響を与える要素なので、考察に書くことができます。
というか、他の人が操作ミスのことばかり書いているようなら、むしろこういった操作以外のことを書くと独自性が出るので、書くべきです。評価する人はありきたりな考察に読み飽きています。
数値や理論の条件を厳密に見る
その実験は、理論の前提条件を全て完璧に満たしていましたか?
理論の前提条件を完全に満たすことは不可能です。滴定量に0.001mL単位の誤差は出ますし、大気圧が1013hPaとは限りませんし、重力加速度は9.8m/s^2ではありません。
気体の状態方程式、PV=nRTが成り立つのは、気体分子の大きさも力も0である理想気体のときですよね。でも現実の気体はそうではないのでこの式は完璧には成り立ちません。
更に物理的なもののみならず定数や計算ですら、厳密には不正確です。アボガドロ定数を6.02214076 × 1023 mol-1として計算したり、計算結果をめっちゃ長い小数や超複雑な分数のまま扱うことはまずないと思います。大抵切り捨てたりして、わずかな誤差を許してシンプルにします。
気圧、気体定数の切り捨て、温度…前提条件が0.01%単位でズレていて、積み重ねで結果も違っているのだと主張しましょう。
操作ミスをしたのに実験が成功してしまったとき
たまに、操作ミスをしたにもかかわらず理論通りに行った…みたいなことはありませんか?それも良い考察材料です。
原理を考えれば結果にほぼ影響しない操作だと分かったり、別の操作ミスによって結果のずれが打ち消しあっていると分かったりします。
逆に実験が文句なしに成功したとき
筆者には縁の無いことですが、実験が文句なしに理論通りに成功すると、それはそれで困りませんか?
「なぜ成功したのか」を書けと言われると思いますが、「いやそんなん、操作が完璧だったからでしょ…」となるでしょう。 そういう時も原理の出番です。
前提条件を完全に満たす実験が不可能な以上、文字通り100%の理論値が出ることはありません。理論値との差(絶対あります)の原因を環境的な部分で探してみましょう。
最後に
大学の学部生くらいであれば、たとえ実験が失敗したとしても本記事中の考察テクニックで進級できる・単位が取れる…ハズです。
綺麗ごとにはなりますが、本当に書くことがなかったら「原理」をよく読んで理解しましょう。原理と方法、原理と結果を比べると口を挟める部分が見えてきます。
レポートは面倒ですが程々に頑張りまっしょい。
では、ここまでご観覧ありがとうございました!
