レポートの考察に何を書けばいいか分からない?私もそうでした。考察を人並みに書けるようになったコツや、失敗して何を書けばいいか分からない時の挽回方法をお伝えします。
ごきげんよう。
考察を書くとき、「反省を書くな」やら「根拠がない/不十分」やら、言われませんでした?
言われてもよく分かりませんよね。
私は長年(数値上は10年以上)ブログをしておりますので長い文章を書くのに慣れていると思っているのですが、考察を書くのはどうも苦手でした。というか今も得意とはいえません。
この記事では考察を書きあぐねている方に向けて、私が感じた「考察を書くコツ」をご紹介したいと思います。
このコツを捉えてからは、大学1年は実験も考察も下手で全てのレポートで再提出を食らい、2割は再々提出になるといった進級も危うい状態だった私が、実験は変わらず下手なもののレポートの7割くらいそのまま通せるようになりました。
主に中学~大学生までを想定していますが、それ以外の方でも参考に出来る部分があるかもしれません。
では、主に化学・物理実験を例にして語っていきます。
忙しい人のために:
失敗した実験でも考察を充実させる書き方
私もよくミスるので、以下の考え方で書いてみてください。
①失敗した操作と結果への影響を細かく説明する
例えば中和滴定なら、何の量をどれだけ間違えたか。結果は理論値とどうずれたか。そのずれはどのような原理で生じたか。
どの実験でも、原理まで立ち返ればそれなりに詳しく書けます。
②責任転嫁する
溶液を混ぜた色が想定と違って、自分が溶液の取り違えなどを絶対していないと思うとき。
その原因は前の人がガラス器具をちゃんと洗ってなかったり、溶液が古すぎて劣化してたり、溶液の管理が適当で何か変なのが混ざってたりしてた可能性もありますよね。
要は、自分以外の環境のせいで結果が狂ったとします。極端に責任転嫁と書いていますが、自分が正しいと信じるなら立派な主張であり考察です。論文の考察も意外とこういうのが書かれてます。
③数値をクソ細かく見る
気体の状態方程式、PV=nRTが成り立つのは、気体分子の大きさも力も0である理想気体のときですよね。でも現実の気体はそうではないのでこの式は完璧には成り立ちません。
気圧、気体定数の切り捨て、温度…前提条件が0.01%単位でズレていて、積み重ねで結果も違っているのだと主張しましょう。計算の際の切り捨てや測定能力の限界は必ずあります。
以上が実戦的なTipsでした。
ここから詳細にコツを解説していきます。
結果と考察の違い
結果と考察の違いは「手を動かして分かったことか、頭を動かして分かったことか」と私は表現します。
例えば、
「この酸性の溶液をこのくらい入れると色が変わった」
「金属の球が40cm跳ね返ったので反発係数はこれくらいである」
といったことは結果です。実際にやったこと・計算して出た値は結果になります。
そして、
「色が変わったのはアルカリ性の溶液が中和してなくなったからである」
「計算で求めた反発係数は大きすぎるので操作を誤った可能性がある」
といったことは考察です。実際にやったこと・計算して出た値に対する考えは考察になります。
反省と考察の違い
一方、反省と考察の違いは「自分の気持ちの有無」が最も大きいと思います。
例えば化学実験の考察を書くときに、どこかの操作でミスがあったとします。そのときに「~~でミスったので次は上手くしたい」と書いてしまうと、これは反省です。
考察で同じことを書くならば、「~でミスったので結果が狂った」という風になります。ここに気持ちの要素はありません、事実のみです。まあ感情が窺える考察もありますが
原理を意識する
実験中は操作に必死になるため、原理なんて考えてる余裕はないでしょう。
考察は、改めて理論と操作を結びつける機会でもあります。 なぜこういう操作をしたのか?目的は何だったか?といったことを、考察を書き始める前に今一度思い出してみましょう。
すると、それまで「~でミスったので結果が狂った」としか書けなかったのが、「~~でミスったのでーーという原理から結果が……というように狂った」と詳細に書けるようになります。
例えば、塩酸を水酸化ナトリウムで中和する操作に対する考察を書くとすると、
1:水酸化ナトリウムを入れすぎたので塩酸の濃度が理論値とずれた
2:本来は塩酸と水酸化ナトリウムは1:1で中和するが、水酸化ナトリウムを入れすぎたので、塩酸の濃度が理論値より高くなってしまった
2種類書いてみました。比較すると2の方が詳細ですよね。
詳細に書くことができれば、原理を理解しているんだと思われて評価が上がる…と思います。
保証はしませんよ。でもレポートの質は確実に詳細な方が上です。変に字数稼ぎをしなくてよくなるのもメリット。
あらゆる可能性を検討する
もし結果が理論(正常値)と違ったなら、原因は何だと考えますか?
自分の手順に何らかの誤りがあったと考えるのが普通だと思いますが、それだけではありません。他に疑える箇所があるはずです。
例えば器具。前の人が洗浄不十分だったりすると実験結果に影響が出ます。電子機器も数十年使っていたりすると測定値にずれが出るかもしれません。 他には溶液の劣化などですね。数年間同じ溶液を使っていることもある。
それに加え、方法がまずいことも一考の余地があります。高い器具・時間のかかる手段ではなく、安い器具・簡易な手段で測定すると、大体ずれます。
これらのことも結果に影響を与える要素なので、考察に書くことができます。
というか、他の人が操作ミスのことばかり書いているようなら、むしろこういった操作以外のことを書くと独自性が出るので、書くべきです。評価する人はありきたりな考察に読み飽きています。
実験が理論通りにいったとき
実験が文句なしに理論通りに成功すると、それはそれで困りませんか?
「なぜ成功したのか」を書けと言われると思いますが、「いやそんなん、操作が完璧だったからでしょ…」となるでしょう。 そういう時も原理の出番です。
本当にその実験は理論の前提条件を全て完璧に満たしていましたか?
結論としては、理論の前提条件を完全に満たすことは不可能です。滴定量に0.001mL単位の誤差は出ますし、大気圧が1013hPaとは限りませんし、重力加速度は9.8m/s^2ではありません。
定数や計算ですら、 アボガドロ定数を6.02214076 × 1023 mol-1として計算したり、計算結果をめっちゃ長い小数や超複雑な分数のまま扱うことはまずないと思います。大抵切り捨てたりして、少しの誤差を許してシンプルにします。
理論値との僅かな差(絶対あります)の原因をそのあたりの環境的な部分で探してみましょう。
もし操作ミスをしたにもかかわらず理論値に近いものが出たなら、それも良い考察材料です。
原理から結果にほぼ影響しない操作だと分かったり、別の操作ミスによって結果のずれが打ち消しあっていると分かったりします。
考察を書くための文章術
考察を書くときは可能な限り簡潔な文章にすべき、と言われたことがあるでしょう。
でも、肝心な「どうすれば簡潔な文章を書けるのか」ということはほぼ教えてくれません。
ですが、文章の書き方を学ぶことは非常に大切です。同じことを言っている文章でも、書き方によって印象・伝わりやすさは全く異なります。
私はどんな知識よりも先に文章術を学ぶべきだと思います。海外では文章を書く授業が多いみたいですが、日本では全くしないんですよね…。小学校の作文も適当だし。
教えてくれないならば、自分で勉強してみましょう。理系的な文章術について述べた本は色々あります。私が読んだのはこの本です。
最後に
ここまで読んでいるのはほぼ理系の方でしょう。どんな理系学生も考察を書くことは何回かあります。次の機会にはこの記事を参考にして書いてみてください。
それと、理系であっても、いや理系だからこそ、文章術を学ぶべきです。
文章は文明の基礎です。基礎を磨くと世界が変わるのはもう御存じでしょう。 文系の方も、これまでに文章術について考えたことが無いのなら、是非考え、磨いてみましょう。やはり世界が変わります。
文才は遺伝子によるところが大きいという話を聞いたことがあるかもしれませんが、文才というのは「人を惹きつける文章を書く能力」です。「分かりやすい文章を書く能力」 は磨こうと思えば誰でも磨けますし、効果も結構大きく現れます。
私もまだまだ文章を磨く余地があるので、これからも学ぼうと思います。
そして、書くことがなかったら「原理」をよく読んで理解しましょう。原理と方法、原理と結果を比べると口を挟める部分が見えてきます。
では、ここまでご観覧ありがとうございました!レポートは面倒ですが程々に頑張りまっしょい
