2022年11月23日水曜日

理系実験レポートなどで考察を書くコツ(考察のネタとか)

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レポートの考察に何を書けばいいか分からない?私もそうでした。考察を人並みに書けるようになったコツをお伝えします。

 ごきげんよう。 

考察を書くとき、「反省を書くな」やら「根拠がない/不十分」やら、言われませんでした?

言われてもよく分かりませんよね。 

私は長年(数値上は10年以上)ブログをしておりますので長い文章を書くのに慣れていると思っているのですが、考察を書くのはどうも苦手でした。というか今も得意とはいえません。 

しかし先日、珍しく大学での先生が良い先生で、その方の言葉によって考察のコツ的なものを掴みました。

理解曲線の「完全に理解」状態なのでそのうちまた自信をなくすと思いますが… 

理解度曲線

 この記事では、考察を書きあぐねている方に向けて、私が感じた「考察を書くコツ」をご紹介したいと思います。

主に中学~大学生までを想定していますが、それ以外の方でも参考に出来る部分があるかもしれません。 半分自分のための備忘録ですので、分かりにくい点があるのは仕様です。ご了承ください。 

では、化学・物理実験を例にして語っていきます。

結果と考察、反省と考察の違い

 結果と考察の違いは「手を動かして分かったことか、頭を動かして分かったことか」と私は表現します。

例えば、

「この酸性の溶液をこのくらい入れると色が変わった」

「金属の球が40cm跳ね返ったので反発係数はこれくらいである」

といったことは結果です。実際にやったこと・計算して出た値は結果になります。

そして、

「色が変わったのはアルカリ性の溶液が中和してなくなったからである」

「計算で求めた反発係数は大きすぎるので操作を誤った可能性がある」

といったことは考察です。実際にやったこと・計算して出た値に対する考えは考察になります。

 一方、反省と考察の違いは「自分の気持ちの有無」が最も大きいと思います。 

例えば化学実験の考察を書くときに、どこかの操作でミスがあったとします。そのときに「~~でミスったので次は上手くしたい」と書いてしまうと、これは反省です。 

考察で同じことを書くならば、「~でミスったので結果が狂った」という風になります。ここに気持ちの要素はありません、事実のみです。まあ感情が窺える考察もありますが

考察を書くための文章術

 考察を書くときは可能な限り簡潔な文章にすべき、と言われたことがあるでしょう。

でも、肝心な「どうすれば簡潔な文章を書けるのか」ということはほぼ教えてくれません。 

ですが、文章の書き方を学ぶことは非常に大切です。同じことを言っている文章でも、書き方によって印象・伝わりやすさは全く異なります。 

 私はどんな知識よりも先に文章術を学ぶべきだと思います。海外では文章を書く授業が多いみたいですが、日本では全くしないんですよね…。小学校の作文も適当だし。 

教えてくれないならば、自分で勉強してみましょう。理系的な文章術について述べた本は色々あります。私が読んだのはこの本です。

 

今あなたが読んでいるこの文章は、理系向けのブログ記事なので、独学のブログ向けな文章をやや簡潔に書いています。私の主張が割と容易に分かるのではないでしょうか?分かりにくいですかね? 

私は文系向けのブログ記事ならやや回りもった書き方もしますし、完全に独白なら好きなように書きます。それぞれ例を出してみるので、文体を見比べてみてください。若干違うと思います。 

文系っぽいブログ記事↓

農業の生産力とは、工業との違いとは【エッセイ】

日本の食料自給率を増やすするにはどうすればよいか。先日図書館で借りて読んだ本の記録も兼ねて書きました。

何も考えずに書いたもの↓

文章書く手が鈍ってそうだから徒にリハリビ

ゲーム中心の雑記ブログ。価値あるものを広めてゆきます。

後者は書いたのが2年くらい前なので文章が下手ですね…

原理を意識する

 実験中は操作に必死になるため、原理なんて考えてる余裕はないでしょう。

考察は、改めて理論と操作を結びつける機会でもあります。 なぜこういう操作をしたのか?目的は何だったか?といったことを、考察を書き始める前に今一度思い出してみましょう。 

すると、それまで「~でミスったので結果が狂った」としか書けなかったのが、「~~でミスったのでーーという原理から結果が……というように狂った」と詳細に書けるようになります。 

例えば、塩酸を水酸化ナトリウムで中和する操作に対する考察を書くとすると、 

1:水酸化ナトリウムを入れすぎたので塩酸の濃度が理論値とずれた 

2:本来は塩酸と水酸化ナトリウムは1:1で中和するが、水酸化ナトリウムを入れすぎたので、塩酸の濃度が理論値より高くなってしまった 

2種類書いてみました。比較すると2の方が詳細ですよね。 

詳細に書くことができれば、原理を理解しているんだと思われて評価が上がる…と思います。 

保証はしませんよ。でもレポートの質は確実に詳細な方が上です。変に字数稼ぎをしなくてよくなるのもメリット。

あらゆる可能性を検討する

 もし結果が理論(正常値)と違ったなら、原因は何だと考えますか? 

自分の手順に何らかの誤りがあったと考えるのが普通だと思いますが、それだけではありません。他に疑える箇所があるはずです。

例えば器具。前の人が洗浄不十分だったりすると実験結果に影響が出ます。電子機器も数十年使っていたりすると測定値にずれが出るかもしれません。 他には溶液の劣化などですね。数年間同じ溶液を使っていることもある。 

それに加え、方法がまずいことも一考の余地があります。高い器具・時間のかかる手段ではなく、安い器具・簡易な手段で測定すると、大体ずれます。 

これらのことも結果に影響を与える要素なので、考察に書くことができます。 

というか、他の人が操作ミスのことばかり書いているようなら、むしろこういった操作以外のことを書くと独自性が出るので、書くべきです。評価する人はありきたりな考察に読み飽きています。

実験が理論通りにいったとき

 実験が文句なしに理論通りに成功すると、それはそれで困りませんか?

なぜ成功したのか」を書けと言われると思いますが、「いやそんなん、操作が完璧だったからでしょ…」となるでしょう。 そういう時も原理の出番です。

本当にその実験は理論の前提条件を全て完璧に満たしていましたか?

結論としては、理論の前提条件を完全に満たすことは不可能です。どれだけ上手くても滴定量に0.01mL単位の誤差は出ますし、大気圧が1013hPaとは限りませんし、重力加速度は9.8m/sではありません。 

理論値との僅かな差(絶対あります)の原因をそのあたりの環境的な部分で探してみましょう。 

 もし操作ミスをしたにもかかわらず理論値に近いものが出たなら、それも良い考察材料です。

原理から結果にほぼ影響しない操作だと分かったり、別の操作ミスによって結果のずれが打ち消しあっていると分かったりします。

最後に

ここまで読んでいるのはほぼ理系の方でしょう。どんな理系学生も考察を書くことは何回かあります。次の機会にはこの記事を参考にして書いてみてください。 

それと、理系であっても、いや理系だからこそ、文章術を学ぶべきです。

文章は文明の基礎です。基礎を磨くと世界が変わるのはもう御存じでしょう。 文系の方も、これまでに文章術について考えたことが無いのなら、是非考え、磨いてみましょう。やはり世界が変わります。 

文才は遺伝子によるところが大きいという話を聞いたことがあるかもしれませんが、文才というのは「人を惹きつける文章を書く能力」です。「分かりやすい文章を書く能力」 は磨こうと思えば誰でも磨けますし、効果も結構大きく現れます。

私もまだまだ文章を磨く余地があるので、これからも学ぼうと思います。

そして、書くことがなかったら「原理」をよく読んで理解しましょう。原理と方法、原理と結果を比べると口を挟める部分が見えてきます。

では、ここまでご観覧ありがとうございました!レポートは面倒ですが程々に頑張りまっしょい

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