2025年2月4日火曜日

音声合成ソフトの総称を考える【合声ソフト】

 
音声合成ソフト ソフトウェアトーク ボイスロイド系ソフト 合声ソフト

 
ボイスロイド系の音声合成ソフトの総称は「ソフトウェアトーク」という言い方が現在主流ですが、実はこの総称にも一波乱ありました。その経緯を踏まえつつ、筆者なりに略称を考えてみます。

ごきげんよう。

「ソフトウェアトーク」という単語をご存じですか?ボイスロイドなどの「話し声を機械的に合成するソフト」全てを意味する、少し前に出てきた単語です。

この単語に対する議論、そして話し声を合成するソフトを示す単語そのものに対する議論は絶えてきませんでした。ところが近頃はさほど議論自体が活発ではなく、そのようなソフトの総称がついに生まれない可能性も出てきてきます。

議論が下火になりつつある今こそ、この名称問題について考えてみましょう。

話し声を合成するソフトの総称の必要性

話し声を合成するソフトで有名どころは

  • 「SofTalk」…ゆっくり声
  • 「Voiceroid」…結月ゆかりなど
  • 「Cevio」…さとうささらなど

あたりであり、長らくこの3つしか存在しませんでした。

しかし2021年以降、VoiceVox、AIvoice、TalKa、Coeiroink、VOICEPEAKなどなど、続々と新しい音声合成ソフトが出てきた結果、音声合成ソフトの総称(略称)が無いと不便だ、ということになって皆が総称(略称)を考え始めました。

筆者の感覚としても、総称が定まっていないと情報や動画を探しにくかったりするので、あればいいなと思います。

「ソフトウェアトーク」という単語の問題

「ソフトウェアトーク」はその時に生まれた単語で、今のところ最も普及していますが、その単語にも問題があります。主な問題は3つ、

  • Softalk(ゆっくり声)と似ている
  • 名前から機能を想像しにくい
  • 長い

です。

ソフトウェアトークは順当に略すとソフトークとなり、Softalkと完全に被るのが痛い所です。一部で「トウェアト」と略そう活動もありましたが

また、何も知らない人が「ソフトウェアトーク」という単語を見ても多分よく分からない、というのも初心者さんに優しくない部分です。

ソフトウェアトークが完全な普及に至っていない原因は単語そのものの問題のみならず、人為的な問題もあります。

以前にニコニコの運営がソフトウェアトーク投稿祭というものを開催したのですが、ソフトウェアトークという単語を好かない人に文句を言われた結果、運営がソフトウェアトークと言うことは二度となくなりました。

先ほどに述べた通りソフトウェアトークという単語にそれなりの課題があるので、好かない人はそれなりに居ます。なら代わりの良い単語を提案してくれと思いますが…難しいんですよねこれが

他の単語の問題点

こうして考えると、「ボイスロイド」という名前は、全く知らない人が見ても「声を作るソフトなんだな」と分かる辺り優秀な名前なんですよね。

かといって、ボイスロイドを音声合成ソフトの総称にするというのも、他のソフトにとっては不公平です。ボイチェビにしろボイチェビトークにしろ、名前からあぶれるソフトが出てくるという点で同じですね。

例えるなら、炭酸飲料のことを「コーラ系飲料」といったり、バトロワを「Apex系ゲーム」といってるようなものです。名前に使われている所以外の企業およびそのファンは面白くありません。

新しい単語を考えることの難しさ

既存の単語で対応できないなら、新たな単語を作るしかありません。しかし、新しく作るのにも厳しい条件がいくつかあります。具体的には、

  • キャラクターっぽい話し声を作るソフトであることを簡潔に示す単語(歌ではない)
  • 少なくとも現在ある音声合成ソフトの名前全てから距離のある単語

あたりが必須です。

が、安易に思いつく単語の殆どは何らかの条件に反します。

例えば、ボイスロイドがダメならトークロイドはどうか?多分これはボイスロイドやソフトークとの距離が近すぎる一方でCevioやAIVOICEとの距離が遠すぎて、不公平でしょう。

なら、キャラクタートークソフトは?これは長いので略しづらいですし、やはり全ての音声合成ソフトとの距離が一定ではありません。 

キャラトーク…とすると、ソフトなのかどうか分からなくなります。「キャラトーク実況」ってするとVtuberっぽいですからね。

この通り、現在の状況でいい感じの単語を作るには、何か革新的な発想が必要でしょう。

筆者の考える単語

私の持論の1つとして、「カタカナばかりにこだわっていては無理なんじゃないか?」という考えがあります。今のところひらがな・漢字の音声合成ソフトはほとんどないので、カタカナ以外を入れれば他と被らないという条件を達成できます。なので、その方向で新しい単語を考えてみます。

私が考えたのではありませんが、既存のもので同じ発想なのは「読み上げソフト」辺りです…が、劇場もこなす近年のボイスロイド系ソフトを読み上げ専門のソフトと呼んでいいのかというと微妙なところです。

私が考えているもののうち、候補の1つは「合声ソフト」。音声合成ソフトを変化球的に略した言い方なので初めて見る人でも大体分かるかと思いますし、他ソフトとの距離も取れています。しかし、これではボカロ等の歌も入ってしまうのが問題ですね。

それを踏まえると「合話声ソフト」「合声トーク」「作声話ソフト」「発話合声」…どうしてもやや奇抜になりますが、新しい単語なんてそんなものでしょう。明治時代もそんな単語ばっかりでしたし。

自分の動画やコンテンツにはこっそりこの単語を付けているのですがいかがでしょうか?通じてますか?

個人的には合声ソフトという呼び方が最もマシかつ伝わると思っているので、ワンチャン広まったらいいなって感じで、これからも細々と使い続けます。

最後に

合声ソフトの中でもCOEIROINKはかなり上手い名づけ方をしています。”COEIRO”="声色"で「色々な声があること」、”INK”で「キャラを彩ること」を示しており、色とINKで繋がりがあるので覚えやすく、略すほどでもない長さです。

そんな感じの秀逸な呼び方が音声合成ソフトにあればな~と思わないこともないですね。総称があれば主に初心者さんへの説明が楽になりますし、音声合成ソフト全体をどう呼ぶかで毎回悩むのは面倒なので。

以前投稿した下の記事も「ボイスロイド系ソフト」と、初心者さんへ最も伝わりやすいであろう言い方をしています。ソフトウェアトークを使おうかちょっと悩みましたけども。よければご覧ください。

【ボイスロイド系ソフト】簡単な比較とおすすめ

【ボイスロイド系ソフト】簡単な比較とおすすめ

ボイスロイド系のソフト、多すぎ…ですがご安心を。当記事では主要ソフトをさらっと比較し、ボイロデビューや買い足しにおすすめの一品を紹介します。

上の記事は結構見てくださる方が多いので、問題はありますがボイスロイド系と呼ぶのが分かりやすいのかな~とは思います。

今のところ最も当たり障りのない言い方が「ゆっくり声とかボイスロイドとかCevioとかそんな感じのソフト」という状況なので、何かしら総称・略称が欲しいところです。まあ略称不要派もそれなりにいらっしゃるんですけどね。

では、ここまでご観覧ありがとうございました!

他のボイロ系ソフト記事↓

Author Profile

通称:乱(みだれ)

ゲームを中心にブログ書いたり、ボイロ動画作ったり、作曲したりしてる。

常にマイナーなものを好むひねくれもの。

Discordサーバー始めました よければご参加ください