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難しい音楽理論からテクニックだけ借りて活用する、効率的・実践的DTM術


音楽理論を学ぶ、守るのが嫌になっていませんか?作曲者は音楽理論の研究者ではないので、結果だけ使えば良いのです。難解な理論を読み解くのではなく「構文」として割り切り、効率よく作曲を楽しむための考え方と具体的なテクニックをお伝えします。

ごきげんよう。

本記事では、音楽理論について常々疑問に思っていること――「なぜ難しく伝えるのか」を示し、特に初心者~中級者DTMerに役立つであろう効率的な学び方を筆者なりにお伝えします。

筆者の紹介

FL studio,歴3年半,特に実績のない趣味DTMerです。
作ったBGMはこちらで公開しており、また深夜の2時間DTMにも参加しています。裏では公募用の曲だったり同人ゲームの曲だったり、色々作っています。

好きなジャンルは民族音楽ですが、ポピュラー音楽理論は正直活かしづらいです。 

勉強に関しては…自分で言うのもなんですができる方だとは思います。 

音楽理論の解説が「難しい・硬い」と感じる理由

私はいわゆるポピュラー音楽理論が好きではないのですが、その理由は「解説が長く、硬すぎるから」です。

解説しているサイトや動画に触れていると、例えば裏コードとは何か、定義・役割・証明を説明していることがほとんどです。しかし作曲する側として本当に知りたいのは

裏コードがいつ・どのように使えるか

ただそれだけではないでしょうか。

解説していただいている身で誠に恐縮なのですが、丁寧すぎる解説のせいで音楽理論への硬さが作曲を始め、上達するうえで大きな壁になっている面もあると思います。

細かい音楽理論は「構文」として使う程度でいい

例えば数学では相加相乗平均

2つの正の数A,Bにおいて、常に

(和の平均は積の二乗根以上である)

というものがあります。

学生として知りたいのは、この法則の成り立ちというよりは「どういう問題にこれを使えば解決するか」だと思います。テストで点を取るために。

受験業界ではこのニーズに完璧に応えられるような説明がされ、法則そのものよりも法則の活用方法=最大値・最小値を求めるための武器としての使い方を分かりやすく伝えています。それがです。

塾のように、道具を有効活用する方法を伝える情報源が音楽の世界では不足していると感じます。DTMスクールや家庭教師型サービスでは伝えているのかもしれませんが、アクセスしやすいものでそのような情報源はほぼ見ません。

実践型を謳ったリソースもありますが、見てみると理論をかみ砕いて伝えているだけで肝心の活用方法については大して触れていないことが非常に多いです。

勉強でいうところの、法則について教科書的に教える「学校」は非常に多いのですが、その活用法を教える「」がほぼないのです。

音楽の基本にテクニック(構文)を混ぜればスキルが上がる

音楽の裏コードの話をすると、作曲者が求めているものは「裏コードの定義」よりも「裏コードの使い方」だと思うのです。

しかし現実には定義を重点的に説明するものだらけで、使い方について掘り下げている情報源は非常に少ないです

そこで筆者は、音楽理論を学ぶといっても、構文・テクニックとして結果だけかいつまみ、後は実践方式でやるのが一番早いのではないかと考えています。

確かに定義や「なぜそのテクニックが成り立つのか」という深い理由も大事ではあるのですが、実際活用するときはいちいちそんなことを考えていては曲作りに集中できません

数学の問題を解くときに全ての公式を証明から始める人は居ないように、作曲においても全てのコードを使う時に原理から考える必要はありません

真面目な人ほど厳密に考え込んで楽しくなくなる様子を目にします。ですが実際は表面的にテクニックだけ使って上手くいけばそれでいいのです。深く学ぶのは行き詰まってからでいいでしょう。

筆者流「ガバガバ裏コード理論」の実践

音楽理論は構文的に結果だけ取り入れても十分使える、と筆者は考えているので、筆者的な裏コードの解釈を書いてみます。

おそらく教科書的な説明とは全く異なりますが、実用上しっくり来ているやり方なので異論は受け付けません。

裏コードとは 

一言で:エモい半音の動きを取り入れる技

ターゲットコードの前に半音上のメジャーコードを挟む技
例えばCmajorキーでCに行きたいなら、?→Db→C。
G7→Cという流れに対しては、Ab→G7→C・G7→Db→Cなどと変形できる。

裏コード 説明 

 G7の裏コード(Db7)は、理論をすっ飛ばして「半音下降の集まり」と割り切る。

半音の動きを組み込むようにボイシングする
半音の動きに関与しない部分は好きにいじって良い。3度を2度にしたり、余計な音を抜いたりすると響きが変わって面白くなる。
先ほどの例だと、一番上のB(セブンス部分)は半音に関わっていないのでどういじってもいい。

正統派と比較したガバガバ理論の利点

この考え方が教科書通りに裏コードを使う時に比べて優れている点が2点あります。

まず、ピアノロール上で非常に作りやすいということです。

だって、目的地のコードをコピーして手前に持ってきて半音上げるだけですから。教科書通りにG7から6半音上げるより早いです。

そして、既存の裏コードに囚われない範囲まで活用できるという点です。

ガバガバ裏コード理論の応用範囲の広さ

G7(ドミナントセブンス)の6半音下であるDb7こそ裏コードであるという解釈が一般的だと思いますが、それはCmajorキーで次がIである場合に限った話で、実際はもっと応用が利きます

裏コードの裏コードたる所以を考えたりそれっぽい響きを取り入れた曲から、解釈を広~く、最早裏コードではない部分まで広げれば、目的コードと半音の動きがあるコードはエモいというのが本質ではないか?と思い、ガバガバ裏コード理論に行きつきました。半音の動きはみんな大好きなんすよ。 

ガバガバ裏コード理論 半音の動き
最初から「半音を足す技」として使えば、裏コード単体より応用範囲は無限に広がる。
図の左側はDb7→C。透明のとこにノートをずらしても良い。
図の右側はAm7→C7という進行を、ガバガバ裏コード理論でいじりまくったもの。
コードネームとしてはAmaj7→Cmaj7と並行移動の形に勝手になっているが、
エモければ何でもいいし作ってるときはコードネームとか考えてなかった

裏コード自体ドミナントコードなのでどこにでも入れようと思えば入れられるはずですからね。下記のような図を見たことがあると思いますが、この図は「ドミナントはどこからどこにでも行ける」という隠れた事実を表してもいます。

 

ガバガバ裏コード理論では、例えば4→5→6→3という王道進行も、4→5→6b→6m→4(m7)→3mと変えられます。

なお、目的コードの前に半音上のコードを挟むことを正式には「クロマティック・アプローチ」と呼ぶそうですが、そんな名前や成り立ちに囚われずとも曲は作れるでしょう。気になったら調べる程度でよいのです。教科書はたくさんあるので。

さいごに―理論学者ではなく「作曲者」になろう

作曲者は作曲が専門であって、音楽理論を専門とする学者ではない

というような言葉を聞いたことがあります。 

スケールの概念・三和音やダイアトニックコードの概念といったごく基本的なことについては教科書的な学び方が最適だと思います。そこは音楽の定義に近く、数学でいう四則演算みたいなものなので、ちゃんとやった方がいいです。

ですが、発展した公式については実践方式・経験則ベースの方が効率的で使いやすいのではないか、というのが筆者の主張です。

毎回毎回、相加相乗平均を使ったり他の人の解答で相加相乗平均を見たときに「なぜ和の平均は積のルートより大きいのか」というところから始めなくていいのです。

本当に自分にとって役立つのは「ここで相加相乗平均を使うのか!」という気づきではないでしょうか。そういった気づき・経験が積み重なってこそ作曲レベルが上がると思うのです。

大半の人が楽しいからやるのがDTMですから、テクニックだけありがたく拝借すればいいのです。

本記事はここまでです。ご観覧ありがとうございました!

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著者情報

響風乱 / 通称:乱(みだれ)

広告に頼らず、好きなものを作って放牧し続け15年近く。

流行や組織に縛られず、自身の納得を第一に。時に少数派となることも受け入れながら、実直な視点で書き続けています。