既に買い切りPDF編集ソフトを紹介している所に、敢えて比較してほしいという男気ある依頼をしてきた第二のソフト・PDNob。その価値があるのかどうか、実直にレビューしていきます。
ごきげんよう。本記事はPDNobという、これまた買い切り型のPDF編集ソフトの紹介です。
本記事はTenorshare様よりライセンスなどの報酬をいただいてPR記事として書いておりますが、企業側から「使い心地を率直にレビューしてほしい」とお墨付きをいただいているので、「本ブログについて」の通り好きに書いていきます。
販売元の情報
やはりまずは販売元からですね。今回のソフト「PDNob」はtenorshare社のものです。tenorshareは香港の企業で、いろいろなPCソフトを販売しています。
公式サイト:
【公式】AI搭載の無料PDF編集ソフトPDNob│PDF編集・変換・注釈に対応するオールインワンツール
PDF編集ソフトPDNobなら、PDFの編集・変換・注釈がこれ一つで完結。あらゆるドキュメント作業を簡単かつ効率的に行える高性能ツールです。
企業の信頼性
案件を受ける前からTenorshareのことは知っていたのですが、正直なところ、検索エンジンでの同社のサジェストに「怪しい」「安全性」といった不穏なワードが並んでいることもあって少し訝しんでいました。主な理由は「検索に出てくる記事」と「製品ラインナップ」です。
動画編集などのソフトを調べると時々Tenorshareの記事が出てくるのですが、この記事がいかにもSEO・自社製品の宣伝を重視したようなものなのです。
「検索を広告にする」というのは他の企業でも流行りのマーケティング手法なので仕方ないとはいえ、探している情報と違うとユーザー視点でげんなりしますね(最近の検索あるある)。まあ、検索エンジンがよろしくないと思う。
また製品ラインナップの中には、技術的に難しそうな機能をできます!と謳うニッチなソフトもあり、ユーザーとして「本当に実用に耐えるのか?」という懐疑的な目を向けていました。
なのに今回あえてTenorshareのレビュー記事を受けた理由は、既に別のPDFソフトの記事がある当ブログに”ぜひうちの製品も長所・短所すべて正直に比較してほしい”という、妙に潔く男気ある提案を受けたからです。
本製品の担当者さんはこちらの条件(マイナス面も明記する)を快諾してくれました。おそらく製品に自信があるのだろうと感じましたね。
提案理由も興味深かったですし、それなら製品の実力を普段通りに評価してやりましょう、というのが今回引き受けた理由です。
まあ……正当な報酬(お小遣い)をいただけたのも大きいですがな!ガハハ
PDNobの特徴(公式発表)
公式によれば
・Adobe Acrobat Proの代替候補となる買い切り型PDFソフト
・PDF編集・OCR・変換・AI機能がソフト内でまとまっている
・月額課金しなくても実用的(非AI部分は課金せずとも全部使える)
・スキャンPDFや紙資料の活用もOK
・AI要約、翻訳、質問応答をPDF内で完結できる
・初心者でも比較的導入しやすい価格
って感じだそうです。この辺りを踏まえつつ、以降に実際にソフトを触ったレビューや性能の実証比較などを書いていきます。
買い切りPDFソフトその2
真面目なレビューに移っていきましょう。
以前に「UPDF」という買い切り型PDF編集ソフトの紹介をしました。

買い切りPDF編集ソフトはいかがですか【UPDFレビュー】
PDF編集にサブスク課金したくない!そんな方向けに買い切りの「UPDF」を実用レビューします。
そこに堂々と名乗りを上げられたのが今回紹介するPDNobです。
結構派手に広告を行う企業の製品なので懐疑的でしたが、使ってみれば中身は堅実な「買い切り型」のPDF編集ソフトでしたね。
大雑把に比較してみると、
値段:PDNobが若干安い(セールにもよるが1000~3000円くらいお得)
機能:細かな一長一短はあるが、総合的には互角
使いやすさ:ややUPDFの方が良い
OCR機能:一長一短
AI機能:性格が異なり一概には言えない
といった感じです。
買い切り型PDF編集ソフトのいい所は、やはり「買い切りであること」です。AdobeにサブスクしたくないがPDFを編集したい層にはドンピシャでしょう。
なので、ライトなPDF編集ユーザーにとって実用的に使えるかどうかを主な視点として細かく見ていきます。
ではいきましょう。
有料級機能
例としては前の記事同様に、厚生労働省の「厚生労働白書(https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/25/index.html)」の一部を使います。
起動時の画面はこんな感じ。チュートリアルみたいな画面自体がPDFなのはお洒落ですね。
当然ですが検証用PDFは普通に開けます。
UPDFより安いとはいえ有料ソフト相応の機能は一通り揃っており、無料ソフト(pdf24など)では不可能な文字の直接編集・フォームの作成などが可能です。こちらもAdobe Proに引けをとりません。
相変わらず雑な編集ですがフォームの作成も可能です。設定項目がかなり細かかったです。
UPDFとの編集機能の比較
編集機能だけで見た場合、UPDFとPDNobは五分五分といったところです。透かしのデザインはPDNobの方が若干自由度が高いなどの細かな違いはありますけどね。
UIの比較
編集機能よりも2ソフトで差がついているのはUIデザインだと思います。
個人的にはPDNobはボタンがアイコンのみの場合・アイコン+文字の場合があり、一貫性がなく使いづらいように感じました。全てアイコン+文字ならパソコンが苦手な人向けに勧めやすいのですが、混在しているせいで単に整理されていないUIだという印象を受けます。
UPDFは全てモダンなアイコンのみで統一されていますし、メニュー上部にはPDF内部の編集機能、左上のメニュー展開でPDF全体の編集変換機能を開く…という風に、整理された扱いやすいデザインをしています。
PDNobが使いづらく感じたのは慣れていないせいもありますが、UPDFは慣れなくても軽快に使えるくらいだったので、UIデザインについてはUPDFの方が優れていると思います。
ここはアプデに期待といったところ。
画面サイズの問題
私は家では通常のフルHDモニターではなくWQHD(2560x1440)という一回り解像度の大きいモニターを使っているのですが、特にこの解像度だとボタンが一層小さくなって押しづらいです。UIサイズの調整機能は見当たりませんでした。
ノートPCならフルHDですし画面も小さいので丁度よかったです。デスクトップだとフルHDでも人によっては操作しづらいかもしれません。
UPDFも同様にUIサイズの調整はできないのですが、アイコンの方が視認性が良い分、画面が大きくてもまだ操作しやすいかもしれません。ただまあ、出来ればどっちのソフトにもUIサイズ調整機能が欲しいっすけどね。
ダークモードのバグ
小さな問題ですが、筆者の環境ではダークモードの表示が若干バグってました。
ライトモードで使えば支障ありませんが、何でもダークモードにする方は要注意かもしれません。
変換・OCR機能の比較実証
公式サイトで大きくOCR機能の優秀さがアピールされており、また他サイト等のレビューを見てもOCRがすごいという評価をしばしば見かけます。
PDNob 2.0ではOCR機能を強化したとアプデノートに書いており、
・ノイズ除去
・傾き補正
・画像自動最適化
といった機能が搭載されたそうです。
OCRを使うと紙資料やスキャンPDFを編集可能なテキストへ変換できるだけでなく、その後の編集・要約・翻訳にも活用できるのが、OCR変換専門ソフトではできない一体型編集ソフトの強味かなと思います。
今回は実際にOCR精度やレイアウト再現性を自作画像も使って検証してみます!
Word変換
今回は相変わらず白書の、複雑そうな図のあるページをWordに変換してみようと思います。
結果をドン。
文字や図も両方ちゃんと認識されており、どちらもハイレベルでした。
ちなみに無料ソフト(PDF24)では以下のように滅茶苦茶になるので、普通に有料級です。
OCRを使って画像からPDFへ変換
OCRの真価が発揮されるのはこれですね。画像を編集可能なPDFにします。
今回使う画像はこちら。Geminiに作ってもらいました。
細かい記号が多く、変換難易度が高めな画像です。
AI君曰く、
「記号やグラフが正確に認識されてるか、フォント選択は正しいか、レイアウトを保つか」
といったことがOCR機能を見るうえでのポイントらしいです。
画像をOCR機能でPDFに変換するツールにはAdobeの無料オンラインツールなどがありますが、実のところ殆どの無料ソフトは編集可能なPDFに変換できません。
無料ソフトでできるのは「検索/コピー可能なテキストのあるPDFファイル」にするまでで、編集可能にするのは有料ソフトの特権だと思いますね。
ちなみにPDNob/UPDFともに無料ソフト範囲の機能は当然備えており、検索/コピー可能なテキストのあるPDFファイルには完璧に変換できます。Adobeも精度は高いので差は出ませんけどね。
なので、テキストのコピーだけできればいいという場合はOCR設定で「検索可能なテキスト」などを指定することを強くオススメします。編集可能なテキストはどのソフトでも難しいです。
このことを踏まえたうえで、PDNob/UPDFそれぞれでOCR機能を用いて変換してみます。
結果をドン。
PDNob
・ノイズ低減の設定にしてもシミっぽいのが割とある
・Ver.1.02がVer.I.02に、timeout_limitがtimeout Jimitに、85.3%が85.3/0
になっているなど、誤変換がある(テキストなので直せますが)
UPDF
・中身のテキストは完璧に変換されており、誤変換がない。
これだけ見ればUPDFの方がいいのでは?と思われるかもしれませんが、実はPDNobが決定的に勝っている部分が1つあります。それは、アイコンの再現度です。
また髪の話してるよ
しょうもない違いですが、文字はまだ直せますが画像の破損は直しにくいので、地味に大事だったりします。
業務資料やマニュアルなどでは、文字情報だけでなく図表やアイコンの再現性も重要になります。その点ではPDNobの方が元データの見た目を維持できている印象でした。
OCR機能の評価
さて、ここまでの結果を一言でまとめれば、
両者とも有料ソフト相応の変換機能を持っている。
見た目の保存性能はPDNobが優勢で、文字の正確さやゴミの少なさはUPDFが優勢
といった感じでした。
ここは用途次第で評価が分かれるところで、今回は文字の難度が高かったためUPDFの利点が強めに出ましたが、図表やアイコンなど画像が多いものだとPDNobの利点が強めに出ることもあると思います。
とはいえ、UPDFもPDNobも結構実用的なレベルだと思います。
OCR機能の実用的な使いどころ
OCRでテキスト化した資料は、そのまま編集・翻訳・AI要約まで行うことができるので利便性が高まります。紙資料の電子化やスキャンPDFの再利用など、実務シーンでは作業効率向上につながる場面も多そうです。
筆者がPDF編集ソフトを手に入れる以前はPDFにそのまま書き込んでたりしてましたが、OCR経由でテキスト化するとかな~り楽になりました。
特に以下のような用途では実用的だと思います。
・紙資料のデジタル化
・スキャンPDFの編集
・領収書や契約書の整理
・古い資料の再利用
AI機能について
モダンなソフトよろしく、このPDNobにもAI機能が付いており、PDFの内容に関する質問を行ったり、キーワードに関して深く調べたりできます。
PDNobは使用モデルが公開されており、執筆時点ではChatGPT 4o-miniとDeepseek ver3.2とのことでした。
ChatGPTで現在無料で使えるGPT 5.5と比べると、それぞれ「割と下位/微妙に下位」といった性能です。
しかしながら使い勝手はそれなりで、AIが参照した部分にピンポイントに飛べるのは割と便利かなと感じました。
単なるQ&A以外にも要約や翻訳が1画面で可能であり、いちいち画面を行き来しなくていいというのは現代らしい利便性だと思います。
PDF編集ソフト内部のAIならではの機能
PDNobのAI機能は単なるチャットAIとは少し方向性が異なります。
ChatGPTなどウェブで使えるやつ単体でも要約や翻訳は可能ですが、PDNobではPDFを開いたまま質問・要約・翻訳を行えるため、画面を行ったり来たりせずに情報整理を進められます。
スクリーンショットについても質問できるため、長文資料やマニュアルを読む際にちょっと気になったとこを聞くなど補助ツールとしても活用できそうです。
公式様からいただいた画像です。
文章を選択すると通常の編集項目のほか、AI関連の色々な機能が出てきます。
AIクレジット制の懸念
本ソフトの買い切り型という点は素晴らしいのですが、その代わりAI機能については「AIクレジット」という消費型のリソースがあります。
買い切り版を買った時点で6000クレジット付いてきますが、使い切ったらサブスクが必要になります。
筆者の懸念として「せっかく買い切り型ソフトを買ったのに、サブスクしないとソフトの全力が出せない」ということがあります。レビューを受ける前に軽く調べて筆者が一番大きなデメリットだと感じた部分ですね。
実際、AIクレジット制限は気になるか
で、ソフトを使ってみた感想としては「6000回はそう使い切るものではないがちょっと気になる」という感じです。まあぶっちゃけGPT5.5の方が無料で使えて高性能なので、PDF内容から外れる質問はそっちでして賢く使い分けても良いと思います。
しかしながら回数制限付きでもAI要約が使えるのは良心的な方です。比較対象のUPDFだとAIに「内容を聞く」系はサブスクが必須なのです。
この6000回という「多いけれども上限付き」なことにストレスを感じるか否か、あるいはAI要約をどのくらい使うかによってPDNobへの適性が結構変わってきそうな気はします。
AIによるPDF編集機能の欠如と将来性
PDFソフトにAIを搭載することのメリットは、AIに指示してPDFを編集してもらう機能を載せることができる部分にあると思います。
例えばある単語全てを赤文字にするとか、あるPDFの内容を新しいページに図式化してもらう(これはNotebookLMとの連携でできるかもしれませんが…PDNob内で完結は現状できません)、みたいな。
ですがPDNobには現時点でAIを用いた編集機能はありません。文章関係だけはありますけどね。
UPDFも前のレビュー時点ではなかったのですが、レビュー後のアップデートで編集に関与するAIツールが追加され、AIによる編集機能の萌芽が出てきています。
まあUPDFの方はまだまだ機能検索みたいな域で大したことはできませんが、AI編集機能を実装しようという意思は感じます。
一方でPDNobはアップデートこそ頻繁なもののそうした動きはまだなく、AIに指示してPDFを編集してもらう的なことができるようになるかは分かりません。今後の機能拡張に期待ってとこですね。
PDNobのメリット
ここまで使ってみて感じたメリットをまとめると
・買い切り型で導入しやすい
・有料ソフト相応のPDF編集機能
・図表再現におけるOCR精度の高さ
・PDF編集・変換・OCR・AIを1本で完結できる
・初心者でも比較的使いやすい
って感じです。
PDNobのデメリット
逆に気になったのは
・UIデザイン
・ダークモード表示のバグ
・OCRは文字の誤認識・シミの発生が無視できない
・AIクレジット制
って感じでした。
まとめ
日常生活で使う分には、十分Adobe Proの代役をこなせる
UPDFには値段で勝り、操作性で劣る。OCRとAIは一長一短
というのが筆者なりのPDNobの評価です。少なくとも無料のPDF24よりは圧倒的に機能が豊富で、有料ソフトとしての面子は保っていると思います。
AIについてはPDNobはクレジット制&まずまずの性能、UPDFは月額課金制&高性能と性格が異なるので、ここは好みかなと思います。買い切り部分だけで評価するならPDNobの方がAI機能が手厚いです。
またPDNobはAI性能で劣るとはいえど、基本的な部分はしっかりカバーされているのでそこはご安心ください。
どんな人に勧められるか
冒頭に述べた「ライトなPDF編集ユーザーにとって実用的に使えるかどうか」の答えは「普通にいける」です。
ただ、論文作成やゴリゴリのビジネス用途で頻繁に高度な編集機能・AI機能を使う場合は、操作性が良くAI拡張性があるUPDFの方がいいかもしれません。
一方でたまにPDF編集やOCRを使いたい初心者や、買い切りというシステムを重視するユーザーにとっては、安価でAI機能も標準的で手厚いPDNobがコストパフォーマンスに優れた実用的な選択肢になりそうです。
この他PDNobが向いてるのは
・コスパ高めな買い切り型ソフトを探しているライトなPDF編集ユーザー
・Adobe Acrobat Proにサブスクしたくない
・PDF編集、PDF変換、OCRなどをよく利用する/高性能なやつを使ってみたい
・紙資料やスキャンPDFを再活用したい
・AI要約や翻訳をPDF内で完結したい
人って感じですかね。
最後に公式のダウンロードリンクを出しておきます。
無料でもかなりの部分の機能が試せるので、興味があれば使ってみてください。
【公式】AI搭載の無料PDF編集ソフトPDNob│PDF編集・変換・注釈に対応するオールインワンツール
PDF編集ソフトPDNobなら、PDFの編集・変換・注釈がこれ一つで完結。あらゆるドキュメント作業を簡単かつ効率的に行える高性能ツールです。
では、本記事はここまでです。ご観覧ありがとうございました!













