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異常な指揮感。尖りすぎた国産カード×建築×RTSゲームを偲ぶ【バリタク】

かつて、カードゲームと臨場的なRTSを両立させた欲張りな国産オンラインゲームがありました。何が独特だったのか、残された人はどうしたのか。当時私が作成した記事や動画と共に、バリタク(Valiant Tactics)にまつわる思い出を振り返ります。

ごきげんよう。

当ブログやYoutubeチャンネルの奥底に「Valiant Tactics(バリタク)」という尖りすぎたゲームに関する記事や動画があります。

初期版が2021年、リニューアル版が2024年の話で、今となっては思い出話です。筆者が初めてボイスロイド動画を作成したゲームでもありますし、当時移転前ブログで書いたデッキ紹介記事にそれなりのコメントが付いて喜んだりしていました。 

ボイスロイドの実況動画を作りました。

ボイスロイドの実況動画を作りました。

作りたいなーと常々思っていたけど作れなかった、ボイロを用いた実況動画を作ってみました。実況したゲームは事前登録中の「VALIANT TACTICS」というものです。暇でしたら見てやってください。

【バリタク デッキ紹介】乱式・純宵闇ソフィーコンボ

【バリタク デッキ紹介】乱式・純宵闇ソフィーコンボ

今回は僕の虎の子、影遣いソフィーで一点攻めをするデッキです。β時代からのノウハウが凝縮しています。

また、動画コンテストで1位を取ったという内輪寄りな笑い話(Youtube)もあり、お問い合わせページに実績として載せたりしています。

筆者はバリタクリニューアル版のDiscordサーバーを設立、運営していました。今も一応存在はしており、参加も可能です。まあ終わったゲームのサーバーですけど。

そのリニューアル版ですが、残念ながら半年ほどでサービスが終了してしまい、以降全く音沙汰が無いので完全に幕を下ろしたのだと思います。

本記事では、あまりに尖りすぎていたチャレンジャーなRTS+カードゲーム、バリタクを振り返りつつ偲びたいと思います。

カードゲーム✕RTSという掛け合わせ

バリタクはインディーゲームで、「カードゲームxRTS」とかいう突拍子もないゲームジャンルでした。30~45枚のデッキを自由に作成し、カードを使うフェイズとユニットを動かすフェイズが交互に繰り返されて進みます。

 

ゲームが終わって2年後に初登場するプレイ画像

似た系統で最も有名なのは「三国志大戦」ですが、バリタクの方はカードゲームに集中する時間があるというのが大きな違いです。

ただ、その三国志大戦も20年続いたアーケード版が先日終了してしまったので、最早このジャンルは冬の時代に入ったと言えるかもしれません。元からシベリアとか言わない

そもそも1対1のゲーム自体不人気ですからね。身の回りのPVPコンテンツを見渡せば、バトロワやチームバトルがとても増えました。

筆者幼年期の思い出:突撃!合戦スタジアム

筆者が一番最初に触れたこの手のゲームは「突撃!合戦スタジアム」です。覚えてる限り。

野球の次は戦国! バンダイナムコゲームス&ハンゲームの“スタジアム”シリーズ第2弾「突撃!合戦スタジアム」が突如発表。CBTテスター5000名の募集が本日開始

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5月28日,バンダイナムコゲームスと「ハンゲーム」のNHN Japanが共同開発した最新作「突撃!合戦スタジアム」が発表された。オンラインで対戦が楽しめる,戦国時代モノの合戦アクションゲームだ。さっ…

4gamerもよくこんな古い記事を残してるな…

三国志大戦の方が古いのでそれを参考にはしていると思いますが、それに加えて

・地形要素 ・複数の勝利条件(全滅or城攻め) 
・側面/背面攻撃の有利
・装備による強化要素 
・武将の属性によるコンボ要素(関ケ原西軍で揃えるとボーナスなど)

と、中々凝り甲斐がありつつ1ゲームは5分くらいでサクサク終わるという、よく出来ていたゲームでした。

筆者は当時小学校低~中学年でした。冷静になればその年でRTSに触れてるのは尋常ではないですが、多分遺伝子レベルでこのジャンルが好きなんだと思います。

空前絶後の臨場感

バリタクというゲームの特徴を1つ示すなら、それは「臨場感」だと思います。

特に面白いのがボイスで、ユニットを動かすたびに

指揮官「12時方向前進!」

ユニットA「了解!」B「了解だよ~」
C「は~い」D「承知」E「グオォ」

と、指示および応答が飛び交うのです。

以下はシンプルな動画ですが、指示に注意して…いや、注意しなくても指示がびしばし飛んでいることが分かるでしょう。

1カード・ユニット毎にボイスが設定されており同時に呼び掛けるため、個性の集まった軍団を指揮しているという臨場感が体験したことのないレベルで強かったです。

このゲームを上回る、軍隊を指揮している感じーー指揮”感”は、今後なかなか出ないかもしれません。 移動指示も12時、1時、2時方向…と超細かく分かれているのですごいのですが、移動指示以外にも攻撃指示・全力移動指示・果てには補間攻撃というマニアックな指示などもちゃんと発令するのです。すごい凝り具合よ。

臨場感を活かせないバランス

本ゲームの魅力の1つである臨場感でしたが、バリタクはこの臨場感に酔っているとある程度の強さで止まってしまう環境でした。

特にランクマッチでは、ユニットを順次出していく正統派デッキ以外に

・端攻め(マップ端に出城を置き、歩兵などで攻城する) 
・単騎強化(遠隔攻撃ユニット1体あるいは指揮官にバフを集中的に盛り無双する)

といったデッキも強く、いわゆる環境でした。

正直言って、これらのデッキは強いんですが邪道なのでそこまで指揮”感”がなく、私は楽しくありませんでした。奇策の方が強いのはリアルなんですが。

もちろんバリタクをする人には色々いますから、楽しんでこれらのデッキを使う方々もいましたけどね。

バリタクは高クオリティながら短命なゲームでしたが、その背景にはこうした「コンセプトと内容の乖離」が少しあったのではないかなと、今は思います。 

一番デカい原因はそもそものジャンルでしょうけどね…

類似ゲームも指揮”感”では及ばない

このような、指揮している感じが強いゲームは殆どありません。私が知っててよくやっている(いた)のは、Totalwarシリーズとヴァーレントゥーガです。


 ヴァーレントゥーガはMODがエグいので、画像以外にも
近代からファンタジーまで全部あります

どちらも、複数のユニットで構成された小隊を沢山率いて戦うゲームです。ゴリゴリのRTSです。

非常に面白いのですが、指揮”感”という点だけに限ると、Totalwarはほぼ全員おっさん・おじさんでキャラは無いですし、ヴァーレンもキャラはありますが古のフリーゲーム故の質素さがあります。

TotalWarのうち期待の星だった三国志版(three kingdom, キャラが立っている)も、謎の公式な開発永久停止からの忘れた頃に来る極小パッチでMODが壊れるという、極めて不確実なものになってしまいました。

老若男女と人外の入り混じった、キャラのある軍隊を臨場的に率いる――それはバリタクでしかできないことでした。

建設・兵器があった希少なMMO:ファンタシーアースゼロ(FEZ)

バリタクには上記のように指揮感という大きな特徴がありましたが、もう1つ注目していたことがあります。

それは、オンラインゲームとしてはとても珍しくバリタクには「工兵」が存在し、基地建設や兵器運用も可能だったことです。非常にロマンがある。

オンライン対戦型ゲームで建設ができるものは非常に少なく、筆者が覚えている限りではファンタシーアースゼロまで遡ります。画像を張ろうかと思いましたが、筆者がやってたのは小学校高学年の時くらいなので流石に紛失してました。 

2006年から2022年までサービスが続けられて現在は終了していますが、検索サジェストが難民で溢れているくらいには愛されていたゲームです。

同じく難民まみれのバリタクと、ジャンルは違えど微妙な親近感を覚える

これは50vs50で30分くらい戦う大規模なアクションゲームですが、非常に珍しく建設・召喚獣化といった仕様がありました。というか、建設はむしろ支配領域を広げて勝つための最重要手段であり、主目的でした。 

色々な要素があったので、前線で戦う人以外にも

・リソースとなる「クリスタル」を集める係
・クリスタル銀行係(クリスタル所持数が多いほど収集効率が悪くなるので、収集係は銀行係に渡して高効率で回していた) 
・地形に沿った建築をして防衛線を作る係 
・人気のない所に行って破壊工作する係

など、色々な役割が空気読みで確立していたのが唯一無二でした。同じ大人数ゲームでも、この辺りはバトルフィールド等と全く違います。

公式サイトは消滅しているので、詳しく知りたい方はWikiを見たり調べてみてください。

ファンタジーアース ゼロ - Wikipedia

『ファンタジーアース ゼロ』は、ソフトギア(旧フェニックスソフト)が開発しスクウェア・エニックスにより運営されていた多人数同時参加型のオンラインゲーム(MMORPG)。アクション要素の強い戦闘システムとストラテジゲームの要素が組み合わされた大規模対人戦闘(最大50vs50)が、ゲームの中心となっていた。

普通のWIKIのはずなんですが、このWikipediaは攻略WIKIか?ってくらい内容が濃いです。好きだった人が書いたんだろうなぁという感じが伝わってくる。

ところでYahooゲームで、横スクロール型のこれに似た「クリスタル◇コンクエスト」という陣取りブラウザMMOがあり、筆者はこれも遊んでいました。どちらもスクエニが関わってるようです。

バリタクが面白かったのは、部隊型のRTSに加えて「戦場を作ること」が重要だった部分にあるのかなと思っています。

指揮感✕キャラ✕建築とかいう無理ジャンル

商業ゲームやインディー界隈を見渡しても、こうした小規模部隊の指揮×キャラクター性×建築要素、全て揃えたゲームは全く不毛の地です。

どれか1つだけならあるのです。部隊の指揮だけなら先ほど挙げたゲームや他のRTSで十分できますし、建築もAge of Empiresシリーズとかで可能です(FEZみたいなオンラインだと激減しますが…)。キャラクターの個性はバトロワ系・チームTPS/FPS系・MOBAなどではむしろ流行りになっています。

ですが、「RTS/TCGの手応え」と「キャラクターの部隊を動かしているという主体感」を併せ持つタイトルは、私の知る限り商業・同人を問わずほぼ見当たりません。

PCストラテジーゲームをまとめた記事を書くにあたって色々調べたりしましたが、それでも皆無です。

【戦略/戦術別】おすすめPCストラテジーゲーム【有料/無料】

【戦略/戦術別】おすすめPCストラテジーゲーム【有料/無料】

案件なし、実体験のみ。ストラテジーゲーム大好きな筆者が、独自の基準で系統立てて色々な面白いストラテジーを紹介します。Steamの有料ゲームのみならず、無料ですごく遊べるゲームも紹介。

だから難民なんだよ

難民は自作するか、深淵に潜る

公式からの供給が途絶え、探しても類似作が存在しないとなれば、もう作るしかないんですよね。色々なジャンルのゲームに手を出し、MODやスクリプトを弄り回して「僕の考えた最強のゲーム環境」を作る。

筆者は元からこうしたゲームが好きだったので、前からやっているマイクラ実況動画がそんな感じになっています。兵士や兵器を追加するMODを入れて、自分で建築しながら遊んでいます。

村から始める、あかりっか都市国家 導入MODまとめ

村から始める、あかりっか都市国家 導入MODまとめ

マイクラ/Skyblock、創作/作曲、ボイロ系、ソフト系実用レビューなどを扱う15年個人運営の雑記ブログです。

また自作する人以外にも「探す」の程度が異次元で、海外のめちゃくちゃ無名なインディーゲームを深淵まで掘り当てようとする人も存在します。

さいごに:戦場は畳まれても、性分は残る

バリタクのリニューアル版が半年で終了したとき、まあぶっちゃけ「やっぱりな」みたいな空気はありましたが、ただでさえ供給の極めて少ないジャンルなので、各々相応に残念だったと思います。

操作量は多く、1対1の対戦で胃が削れ、臨場感を楽しめば環境にぶつかる。「簡単では、ない」のキャッチコピー通り、大衆受けする要素はほぼ皆無でした。

ですが、あの尖りすぎたゲームシステムに惹かれて集まったゲーマーたちの「嗜好」そのものは、ゲームが終わっても残っています。難民キャンプがありますから。 

Total Warでおっさんたちの戦列を眺めながら「ここに面白い個別応答ボイスがあれば」と妄想したり、ヴァーレントゥーガのシナリオによってバラッバラなゲームバランスを攻略したり、別ゲーの挙動を弄って自分が欲しいものを作ろうとしたり。

戦場そのものは消え去りましたが、複雑なゲームであっても…いや、複雑だからこそ自分なりの戦術や動かし方を試行錯誤する楽しさは忘れていません。

尖ったDiscordサーバー 

当ブログ付属のDiscordサーバーでは、こうしたニッチなことも置いて行ったり、改造の途中を流したり、同好の士はおらんか!みたいな情報を出したりできる場所にしています。もし興味があれば以下から覗いてみてください。

付属Discordサーバーの紹介

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「ごちゃごちゃ放牧サーバー」は、話す人よりも「話している内容」を大切にし、各々が好きなことをしている「途中」を持ち寄ってゆるく流す、キャンプ地のような場所です。

では、本記事はここまでです。ご観覧ありがとうございました!

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著者情報

響風乱 / 通称:乱(みだれ)

好きなものを作って放牧し続け15年近く。

流行や組織に縛られず、自身の納得を第一に。時に少数派となることも受け入れながら、実直な視点で書き続けています。

放牧手記